「持続可能な開発:Sutainable Development」という言葉が1980年の国際自然保護連合(IUCN)の世界自然環境保護戦略で初めて使われてから、40年が経ちました。様々な形での持続可能性が追及されながら、ようやく近年は経営の一般的な概念として、ESGやCSRが考えられるようになってきました。
かといって、中小企業ではまだまだ忌避的な見方をされることが多かったのですが、コロナ禍があって、企業が周辺社会からどれほど影響を受けて経営を行っているか痛感することも多く、企業の社会的役割が本格的に見直されてきているのではないかと思います。
さて、身近にできる社会貢献の一つとして、雨水の貯留があります。
自社で所有されている事業所用地などの土地があれば、その地下に雨水を貯留する場所をつくることで、降雨が一気に川に流れ込むのを防ぎ、また貯留水はトイレの水や災害時の生活水として使うことが可能です。
すなわち、(1)小さな治水対策としての社会貢献、(2)節水としての社会貢献、(3)災害時のインフラとしての社会貢献など、小さなことですが複合的に社会貢献が可能です。
また、単純に貯水タンクを埋め込むだけでなく、敷地に余裕があれば、ちょっとした水場をつくることで憩いになり、生産性を高めることにもつながるかもしれません。
日本はすっかり熱帯雨林気候になってしまい、これから”雨季”には毎年大量の雨が降ると思った方が良いでしょう?この大量の雨が一気に河川に流れこむと洪水になります。長い年月と多額の税金を投じて治水・土砂対策をやってきた河川や傾斜地が、洪水や土砂災害を起こしているケースが、本当に増えてきています。
話が長くなりますが、いくら社会に役立つといっても収益に直結しない投資検討しなければならないのがサステナビリティ経営の一つでもあります。この判断のためにはまず数値です。多少、「風が吹けば桶屋が儲かる」的になりますが、CSR投資について、最終的には自社にどれだけ良い効果を及ぼすか?を推定して数値化していく必要があります。
数値化した暁には「比べる」対象を探してきます。良くあるのが「東京ドーム何個分」などイメージしやすいものと比較することです。
なんとなく凄いとしてわからないのですが、何らかの「基準」を設けることが判断においては大事です。
このような形で、とあるコンサル案件では「良いことだと思うが、投資をすべきか判断がつかない」というようなケースで、判断をするための数値を提供しようと取り組んでいます。
都会では難しいですが、地方では数百坪の敷地があり、そこに事務所と駐車場があって、何人もの方が働いている、という光景がよくあります。
でもそこはかつて昔あったような森と同じような潤いと安らぎが存在する場所である。
雨水貯留が実現するものとして、このようなイメージの見える化に取り組んでいます。
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